近年、常態化してきている地球温暖化が原因と思われる自然災害が多発しています。幸い南信州地域では、大規模な災害は免れたものの安心できる状態ではないものと思います。災害に対する備えをもって、安全安心な日常を送りたいところです。
さて、災害対応の視野として森林組合の役割は、災害に強い森林を作るために森林管理と林業再生にあります。また、2050年ゼロカーボンを目指して地球温暖化対策に取り組む主体となります。
具体的には、森林の豊かさを再生するために林齢の平準化を見据えて、小面積の皆伐・再造林を目指します。なお森林の再生には、適地適木を基本にして経済林なら同一樹種で、経営的に困難な森林であれば広葉樹との混植による混交林などに転換することなど将来の森林づくりを目指したいと思います。
一方、森林・林業の活性化には、経済的に成り立つものでなくてはなりません。森林所有者にとって、林業再生意欲に結び付く収入が必要です。この対策について、市場価格の適正化取引を主張して行く必要があり。木材生産者の声を上げていくことを森林組合として取り組まなければなりません。
森林は、成長する過程において二酸化炭素を吸収しています。やがて木材利用期に達すれば 伐採して製材加工を施し、木造建築物等に使われ木材の中に二酸化炭素を固定されます。
森林のこのような役割は、ゼロカーボンの取り組みの重要な役割を担っています。この役割こそ木材価格に反映されなければなりません。こうした木材を生産する森林は、永続性をもって未来に引き継がれていく地域の重要な資産です。
森林組合は、森林管理と林業再生の持続性を保つ責任があります。
森林所有者への意欲の喚起と、所有者の依頼によって代行することが求められています。地域の森林を放置すること無く、再生を図っていきたいと思います。
代表理事・組合長 林 和弘